毎年12月に放送されるクリスマス特番「クリスマスの約束」

その記念すべき初回で最初の一歩、第1回の「クリスマスの約束」の出演者に関する情報やこの歌番組が始まった経緯やエピソードについてまとめてみたいと思います。

よろしくお付き合いください。

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クリスマスの約束第1回。初回の幕が上がる

毎年12月になると、いやいや、ちょっと待って待って。見学者の応募はもっと前からだから、

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Happy
少し肌寒くなってきたかな、と感じる季節になると、やたら気になりはじめるのが、小田和正さんの歌番組「クリスマスの約束」ですよね?
  • 今年はどんなゲストアーティストが出演するんだろう?
  • どんなセットリストになるんだろう?
  • 委員会バンドのメドレーはどんな特集になるんだろう?

う〜ん、楽しみすぎる!

毎年、クリ約ファンは、こんな感じなのではないかと勝手に想像しています。

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もちろん、私くしHappyも、そんな「クリ約ファン」の一人です!

クリスマスの恒例行事として、すっかり定着した感のある音楽番組「クリスマスの約束」ですが、実はその第1回目、初回の「2001年のクリスマスの約束」は「ゲスト出演なし」だったことをご存知でしょうか?

もっと言うなら、2回目もゲスト出演者はありませんでした。

ようやく第3回目の「クリスマスの約束」に、初めてゲストアーティストが登場して、それ以降、どんどんと出演者たちの輪が広がってきたという、そんな歴史があるんです。

Q
どうして第1回目の「クリスマスの約束」にはゲスト出演がなかったんでしょう?
A

お答えしましょう

音楽業界と小田和正と「日本グラミー賞構想」

小田さんがホスト役としてメインアーティストを務める「クリスマスの約束」は、「アーティスト同士がお互いを認め、愛し、尊敬すること」を番組コンセプトに掲げています。

これは、オフコース活動休止期間に小田さんご自身が考えた「日本グラミー賞構想」という考えが、深く反映されているコンセプトなんです。

小田さんが日本版グラミー賞を実現しよう奔走したのは、1982年頃のこと。今から、もう40年近く前のことでした。

吉田拓郎さん、松任谷由実さん、矢沢永吉さん、さだまさしさん、松山千春さん、加藤和彦さんらを集め、話し合いを持ったという記録も残っているようです。ただ、レコード会社やマスコミ、所属レーベルや事務所など色々な障壁があって実現には至りませんでした。

音楽業界というのは「That’s 芸能界」で、多くの利権やお金が動く世界でもあるので、これを取りまとめるのは本当に大変な作業でしょうね。

勝手な想像に過ぎませんが、「クリスマスの約束」のコンセプトが、「アーティスト同士がお互いを認め、愛し、尊敬すること」であるということは、その真逆の状況が音楽業界に横たわっている、少なくとも小田さんはそう感じていたと考えてもいいのかも知れませんね。

なので、小田さんが考えた「日本グラミー賞構想」というのは、小田さん自身、音楽業界に身を置く一人のアーティストとして、業界の現状やアーティストそれぞれの関係性を、より良いものに変えていきたいという思い。

そのひとつの重要な提案だったんだろうと個人的には想像しています。

このあたりのことついては、小田さんのエッセイ「TIME CAN’T WAIT」の”僕の挫折”という章で触れられていますので、興味があればぜひ読んでみてくださいね。

TIME CAN’T WAIT

音楽のジャンルはもとより、様々な垣根を超えてアーティストがお互いを認めあい共演する。

そんな考えが「クリスマスの約束」という企画の根っこにあることはとても重要なことだと思いますし、そもそも国も国境も軽々と飛び越えていく「音楽」というものを通して、私たちの住む世界は、もっと素晴らしいものになるはず。そんな感想を持ちました。

小田和正の7通の手紙

さて、そんな小田さんの内に秘めた思いを番組づくりに投影したのが、「クリスマスの約束」という公開歌番組なわけですが、その第1回目を実現するにあたり、小田さんは7組のアーティストに直々に手紙をしたためています。

第1回の放送を遡ること、約2ヶ月前。2001年10月のことだそうです。

この時、小田さんが手紙を送ったのは、以下の7組の方。

  • 桑田佳祐(サザンオールスターズ)
  • 松任谷由実
  • SMAP
  • 福山雅治
  • 宇多田ヒカル
  • 桜井和寿(Mr.Children)
  • 山下達郎

いづれ劣らぬ日本のポップス界、音楽業界を引っ張ってきた方々ばかりです。

けれど、結果的には小田さんの呼びかけに応じたアーティストはなく、2001年の「クリスマスの約束」は、小田さんお一人が出演して放送されたのは、すでにお伝えしたとおりです。

以下、小田さんが7組のアーティストの方々へ送った手紙を引用してみます。お読みになって、あなたはどんな感想を持つでしょうか?

前略 

突然の勝手な手紙を出す無礼をお許しください。TBSから、現在、ある音楽番組をやれないか、という打診がありました。そして考えました。自分の歌を歌えばファンの人は喜んでくれるだろうけれど、それは目指すものではなさそうだ。

そして、さらに考えました。僕等のような音楽をやって来た者にとって、今、大切な事は何だろうと思ったのです。それは同じ時代を生きてきて、音楽を創った人達を認め、愛し、尊敬することなのではないだろうかと。それをこの番組で表現できないかと。それなら引き受けてみようと。

これは、僕の主観でやろうとしている番組です。偏見を承知で、批難を覚悟の上で、無数にある名曲から一方的に7曲を選びました。時代を創ってきた素敵な音楽達を。それで、あなたの曲をその一曲に選ばせてもらいました。

随分と前置きが長くなりましたが、ここからが本題です。この曲を一緒に演奏してもらえないだろうか?というお願いの手紙だったのです。

これは、あいつがだめだったらこいつという企画ではないし、もし残念ながら、あなたの不参加が決まったら、自分ひとりで演奏するつもりで望んでいます。アーティスト同士が直に触れ合うことで進んでいける場所がある。音楽としても、音楽という文化の確立としても。そう信じています。それが見ている人に伝わるように全力で尽します。たとえ出演を断られたとしても、あなたへの尊敬の気持ちは些かも変わりません。

秋も深まるばかり。風邪などひかぬよう、充実した活動を続けてください。

                                

2001.10.5 小田和正

今、改めて考えてみると、第1回目の副題は、山下達郎さんの「クリスマスイブ」の有名な最初のフレーズである「きっと君な来ない」というのも、う〜んその意味は深いなあと感じます。

小田さんが「アーティスト同士がお互いを認め、愛し、尊敬すること」とコンセプトを決めたこの番組が、一筋縄では実現しないだろうな、とまるで予言しているかのタイトルです。

君(手紙を送った方々)は、きっと来ない、ですから。

ただ、ゲスト出演こそ叶わなかったものの、長年「犬猿の仲」と言われた山下達郎さん、また俳優でもある福山雅治さんからは、後日、小田さんの元に手紙が届いたようで、それぞれの楽曲を演奏する前に、その内容を披露しています。

山下達郎さんからの手紙

前略 小田和正様

ご丁寧な直筆のお手紙をいただき、ありがとうございました。小田さんをはじめ、TBSのスタッフの皆様方の番組に対するご趣旨は十二分に理解いたしておりますが、いかんせん、私はこれまでテレビの番組というものに一度も出演したことがありません。二十年程前にCMに一度、レコード大賞の授賞式に二度程出ましたのが、私のテレビ出演のすべてであります。もともとはご縁がなかった上に、キャリアが加わって、今では、テレビメディアとの関係は、完全に音楽的な部分のみとなっており、こうなりましては、今さらどうにもなりません。

小田さんをはじめ、諸先輩が今なお堂々たる現役としてご活躍されているということは、私のような者にとりましては大きな励みであり、目標でもあります。従いまして、小田さんのおっしゃる「アーティスト同士が認め合う」という発想にも十二分、共感できますし、できますなら何かお手伝いさせていただければとも思うのですが、こういうときにはいつも申し訳なく感じております。

もともとこの曲(注:「クリスマスイブ」)は、オフコースに触発されて作ったものです。青山のアパートの一階がオフコース・カンパニーで、二階に私の所属事務所があった時代でした。

あの頃は私も30歳になったばかりのとんがった盛りでした。バンドで挫折した私にとって、オフコースはとても重要なライバルで、敵(失礼!)がバンドのコーラスなら、こっちは一人でとか、そういったしようもないことを若気の至りでいろいろと考えたものでした。

長い時を経て、小田さんにこの曲を歌っていただける時代になったとは、本当に感慨無量です。今後とも一層のご活躍を陰ながらお祈り申し上げております。まずは取り急ぎお詫びならびにご挨拶申し上げます。

草々

福山雅治さんからの手紙(一部抜粋)

小田さんが、この曲(注:「桜坂」) をとりあげてくださるということ、感慨深く受け止めました。

この曲が今までになく、多くの人に聴かれ、歌われたという事実。それは若輩者の僕にとって、本当に嬉しく、そして、小田さんからのお誘いで、そのことを再認識することになりました。やはり、この楽曲は僕にとって大切な存在なのだと改めて実感しています。

お誘いにお応えする余裕が全くないというのが、今日この頃の僕です。本当に申し訳ありません。残念なお返事をさしあげなければならないことを心苦しく思っています。

どうでしょう?

個人的には、こういう男同士が互いに認めあい、っていうのは単純に素敵だな〜と思いますね。また手紙ってメールとは違ってやっぱいいよな〜。気持ちが伝わってくるよね。そう思いました。

いつかお二人と小田さんが共演するのを、ぜひ「クリスマスの約束」でみてみたいなと思いました。

第1回「クリスマスの約束〜きっと君は来ない」(2001年)セットリスト

タイトル:クリスマスの約束…きっと君は来ない

放送日:12月25日 23:45 – 25:45
収録会場:東京ベイNKホール

ゲスト出演者なし

セットリスト

  • 言葉にできない / 小田和正
  • 夜空ノムコウ (SMAP) / 小田和正
  • 桜坂 (福山雅治) / 小田和正
  • 勝手にシンドバッド (サザンオールスターズ) / 小田和正
  • 真夏の果実 (サザンオールスターズ) / 小田和正
  • ひこうき雲 (荒井由実) / 小田和正
  • 春夏秋冬 (泉谷しげる) / 小田和正
  • さよなら / 小田和正
  • Automatic (宇多田ヒカル)/ 小田和正
  • Tomorrow never knows (Mr.Children)/ 小田和正
  • クリスマス・イブ (山下達郎) / 小田和正
  • Yes-No / 小田和正
  • ラブ・ストーリーは突然に / 小田和正
  • 君住む街へ / 小田和正
  • この日のこと

まとめ

クリスマスの約束 第1回目はこうして幕をあけた、と題してお送りしてきましたが、いかがでしたでしょうか?

たかが音楽番組、されど音楽番組。

アーティストというのは、皆さん独自の美学がある方ばかりなので、融合して溶け合うのは難しい部分もあるんだろうし、音楽業界の一筋縄ではいかない色々な軋轢みたいなものを少し感じました。

第2回目の「クリスマスの約束」の記事では、ミスチルの桜井さんからの手紙の内容をご紹介しますので、よろしければそちらもご覧ください。

ではまた。Happyでした。素敵なクリスマスをお過ごしください♡